IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第172話 表と裏<後編>

 テロか…。  ありうるな…。  戦国時代には敵の水源を断つ為に、鉱山採掘を行う人夫を使った例が幾つもある。  それを考えると、神無月邸の備えは万全と言えるだろうか?  家の下を掘り進んだ上で、襲撃を行う可能性もある。  俺だけならどうとでもなるけど、冬菊たちを考慮すると心許ない部分があるな。  実行に移さなくても、その可能性をちらつかせるだけで有効だ。  念の為、地中用レーダーとソナーを配備しておく方がいいか。  作るのに、そんなに時間もかからないしな。  その日、千冬はある国の海に面した倉庫街にいた。  と言っても、その倉庫街は夜になれば人気がなくなり、誰も訪れる者はいないという今の千冬には都合がよい倉庫街だった。 「また、随分と派手にやってもんですね。ちょいと手間ですよ。」  黒のスーツに皮手袋を嵌めた、男が千冬に面倒そうに言う。  始末屋。  死体を誰の目にも触れないように秘密裏に処理したり、殺害現場の痕跡をなくす業者である。  無論、真っ当な仕事ではない。  裏社会の人間である。  今回、千冬は彼に仕事を依頼した。  楯無の紹介だったので、秘密保持も万全の業者だった。 「必要なら、その分を支払う。どれだけ必要だ?」  始末屋に対して、千冬の口調は素っ気なかった。 「別にいりませんよ。通常料金の範囲内ですからね。にしても、殺しすぎですぜ?」  死体処理をしている裏家業の人間なので惨劇の場は見慣れているが、情報を口にさえすればそれ以外は無関心と…

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IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第172話 表と裏<前編>

 そこは、異様なほどに血と肉の臭いに満ちていた。 「どうだ。喋る気になったか…?」  そこにいた千冬は戦闘用プロテクターを纏い、両手にブレードを手にしていた。  つまり、戦闘態勢である。  周囲には大量の死体が転がっており、臭いの元になっていた。 「し、知らない…。私はそんな上層部の人間じゃない…。上から見れば、ただのチンピラだ…。本当に何も知らない…。信じてくれ…。」  壁に追い詰められたターゲットの男が震えながら、自分は千冬が求める情報を持っていないことを必死に強調する。 「そうか…。残念だ…。ならば…。」  千冬が足を挙げる。 「死ね…!」  ぐしゃり。  バキッ。  異様な音を立てて、男は物言わぬ死体になった。  頭部は蹴り潰され、頭蓋骨は粉砕。  肉と脳は潰れていた。 「片づけをさせておいてくれ。明日、発つ。」  そう言って、その場を離れようとするとコアネットワークで連絡が入る。 『そちらの方はどうだった?更識姉。』  千冬に連絡をしてきたのは、楯無だった。 『たいして情報は引き出せませんでした。下っ端では仕方ありませんね。豺狼路に当たれりいずくんぞ狐狸を問わんと行きたいところですが。以前に拘束した幹部クラスの情報だけでは、まだ不足です。今は狐狸といえども情報を引き出さないと。』  以前に拘束したバーミリオンとスノーからは、尋問で多くの情報が引き出せていたが会社で言えば係長クラスであったためにまだ不足していた。  そこで、その…

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機動戦士ガンダムUC 二次創作 機動戦士ガンダムUC理想への旅 第56話 最後に向けて

 バナージ達がサイド5での戦いを終えて、少しした頃。  時系列は、アドミラル・ワッケインを旗艦とする第1戦隊の物に移る。 「何?」  通信兵が持ってきた通信を印刷したメモには、新たな旗艦としたジブラルタル級大型哨戒艦に乗り換えたプルらの部隊が袖付きの急襲を受けたとプリントされていた。  さらに、ニュータイプ用MS2機が、袖付きの部隊にいるとの事だった。 「アシュラ・テンプルがいるから、ニュータイプ専用機はそれほどあわてる必要はないと思うが、通常戦力が気になる。そっちの情報はないか?」  アムロが、ブライトに尋ねる。  ザク、グフ、ドムと嘗て旧ジオン軍が運用していたMSが現代の技術で再設計されているので、他にないとは言い難い。  そこが気になった。 「ザクが主戦力だが、ドム。最も悪い知らせで、ゲルググが少数だが加わっている。」  ブライトの答えを聞いて、アムロは天井を見つめる。 「援軍は?」 「間もなく、第3戦隊が到着するはずだ。それまでは、完熟訓練の護衛についているブロック1のクラップ級のデンマークとドレークがサポートしている。どちらもエイフの艦。搭載機はハイマニューバ・ディアス。そう遅れはとらないだろうが。相手は5隻。エイフ側は3隻。」 「苦戦は免れませんね。」 「ああ…。」  カミーユの言葉にアムロが苦々しい口調で、肯定する。  軍用に設計されたハイマニューバⅡには劣るが、現状袖付きには劣らない筈。  そう思わせるだけの性能を持ち合わせているのが、ハイ…

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