機動戦士ガンダムUC 二次創作 機動戦士ガンダムUC理想への旅 第16話 襲撃再び
『この機体。ゼクドーガどころか、ジェガンにも勝るかもしれん。パイロットもできる…。』
フェードラを駆るダグザと共に、ガエルは袖付きの新型機と思われる、ザクに似たMSを相手にしていた。
性能面では、シルヴァ・クロスやフェードラには劣る。
が、連邦の主力量産機であるジェガンに、決して劣らない。
むしろ、勝っている部分もあるように思える。
『それ以上に面倒なのは…。』
4機を指揮していると思われる、グフ似の1機。
性能面では、明らかにザク似の4機だけでなく、ジェガンも上回る性能を持ち合わせている。
ARX-014C シルヴァ・クロス。
連邦軍オーガスタニュータイプ研究所で開発され、疑似サイコミュを搭載したORX-013 ガンダムMk.Ⅴの技術を秘かに入手したネオジオンが開発した、AMX-014 ドーベンウルフを戦後に接収。
それを参考に、アナハイムが開発したMSである、ARX-014 シルヴァ・バレトの内1機をベースに、ガエル専用機であることを前提に各部をアップデートしたMSであり、プロトタイプフィンファンネルを疑似サイコミュ型として装備。
ウィング・ワークスが開発を続けてきた、レーザー誘導式疑似サイコミュのデータを最大限に活かして、開発に成功。
より性能を高める為に、コントロールにはデュアルレーザー方式を採用している。
純粋なサイコミュには劣るが、従来のレーザー誘導疑似サイコミュより性能は大幅に向上。
ビーム兵装も、実弾兵装もバランスよく搭載されており、性能と信頼性を両立させた優秀なMSである。
それに加えて、ある奥の手を搭載されていた。
「いい腕をしている。敵であるのが、惜しいな。」
グフに似たMS。
AMX-137B グフ・マールスを駆るアンジェロは、ダグザとガエルの戦いぶりを見ながら、2人を高く評価していた。
新開発された、ザク系の量産型MS。
AMX-136 ザクⅣ
性能面でジェガンに劣るゼクドーガの後継機として、以前から開発されていたMSである。
特に際立った性能ではなく、兵装もありふれたものを運用しているが、それだけに信頼性が高く、操縦系も至って素直で、新人からベテランに至るまで十分な性能を引き出せる量産型MSである。
グフ・マールスは、ザクⅣの設計を流用しつつ、近接戦闘と機動性を重視して機体を軽量化しつつ、大気圏内でもある程度の飛行が可能なように設計されている。
軽快な機動性を特徴としており、武装はさして多くない物の、エース用としても十分な性能を有している。
腕部には、5連装ビームガトリングガンを搭載。
腕部シールドには、ビームソード、ロケット兵装のネーベルヴェルファーを搭載。
そして、グフのヒートロッドの発展型として、両腕部にスレイヤーウィップを搭載している。
ビームガトリングガンは、射程はやや短いが威力は十分であり、牽制にも十分使用できる。
アンジェロは、ビームガトリングと近接兵装との連携で、ダグザとガエルと互角に戦っていた。
「どうする?このままでは、ジリ貧だぞ?何か、手はあるか?」
数の優位とアンジェロが駆るグフ・マールスの連携に手を焼いているダグザは、ガエルに通信を入れる。
「一つ、無くはない。その為には、あのグフ似をしばらく引き受けて欲しい。その上で、ザク似を蹴散らして支援に回る。」
ガエルが提示した案は、ダグザにとってリスクが大きいものだった。
「解った。可能な限り急いでほしい。ユニコーンも気にかかる。」
「当然だ。バナージ様をお守りするのは、私の義務だからな。」
「では、作戦開始だ。」
「さて、起動させるぞ。」
SYSTEM THANATOS
そして、シルヴァ・クロスの性能は著しく向上した。
「片方が、ザクⅣ4機を相手だと。残りは1対1。舐めてくれる…!」
アンジェロはフロンタルの親衛隊を任されているだけあって、優れた指揮官でありパイロットだが、激情家の一面がある。
「そんなに死にたければ、さっさと殺してやる!」
フットペダルを強く踏み込むと、グフ・マールスの機動性がさらに解放される。
それに対して、ダグザもビームカービンで対抗するが、アンジェロは苦も無く回避して、ビームガトリングガンでフェードラを狙う。
「ぬうっ!」
回避しながら、ダグザはビームカービンを撃ちつつ、シールドに搭載されているジャベリン連装ミサイルを発射する。
『タイミングを合わせた。これを交わすのは、並大抵ではない筈。』
ビームカービンの回避軌道を計算して発射されたジャベリンは、グフ・マールスに命中する。
ダグザはそう確信したが、アンジェロが駆るグフ・マールスには命中せず、全くの無傷だった。
「ザクとは、違うんだよ!」
急接近してスレイヤーウィップをビームカービンに巻き付けると、高周波パルスでビームカービンは破壊される。
「ザクとは!!」
頭部のリヴォルバーカノンを発射してフェードラの動きを封じると、離脱してビームガトリングガンを発射する。
が、シルヴァ・クロスのメガライフルの射撃で、アンジェロは一旦距離を取らざるを得なかった。
「何!?」
拡大した映像ウィンドウには、突撃してくるシルヴァ・クロスが映っていた。
ここで、時間を戻す。
「何だ、こいつ!?急に動きが…!ぐあっ!!」
ライフルの280mmグレネードランチャーが命中して、ザクⅣが1機爆散する。
「1機であたるな。連携しろ!」
残り3機は互いに連携して、チームプレイでシルヴァ・クロスを仕留めようとするが、それをシルヴァ・クロスは軽々と回避して、2機目をビームサーベルで串刺しにする。
「オリジナルのHADESには劣るが、量産機相手なら十分か。」
短時間で2機のザクⅣを撃破した事に、ガエルは満足していた。
THANATOS。
一年戦争中に、対ニュータイプ用システムとして、連邦に亡命してきた科学者クルスト・モーゼスによって開発されたEXAMシステムを入手した、オーガスタ研究所が開発した、パイロットの負担無視しつつ機体性能を100%引き出すHADES。
それを量産機向けにリミッターを設けたTHEMISの性能を維持しつつ、可能な限り負担を減らしたシステムとしてアナハイムが開発したのが、THANATOSである。
ケーラが駆るエプシィに搭載されていたATHENAと同系統だが、ATHENAは性能を落とすことを代償に、HADESで肉体改造の外科手術や必要だが危険な薬物の投与が必須であったことを削除しつつ、主にパイロットの保護を優先し状況ごとの薬物使用に切り替えられた、HADESと比較して安全性を重視したシステムである。
一方、THANATOSは、性能に重点を置いたことで、負担を減らしていると言っても、危険さではATHEHNAを上回るシステムである。
秘かに肉体を強化人間レベルにまで強化したガエルでも、「スタミナ剤」と呼ばれる劇薬を混合した複合薬物の事前の投与が必須であり、必ずしも薬物投与を必要としないATHEHNAと比較して危険さでは明らかに上回る。
レーザー誘導式プロトタイプフィンファンネルで3機目を撃破し、4機目を戦闘不能にして、ガエルはダグザの救援に駆け付けた。
「くっ!ガス中尉はどうしている!?」
苦虫をかみつぶしつつ、アンジェロはギュネイの戦闘状況を確認するが、さらに苦い味が口の中に広がった。
「くそっ!こいつ!!」
ファンネルとの連携攻撃でユニコーンを攻撃するギュネイだが、NT-D状態では機動性が大きく引き上げられ、碌に命中しない。
さらに、ビームマグナムという強力な兵装は、掠めるだけでもMSにとっては危険であり、対ビームコーティングをしていてもほとんど意味がない。
手をこまねいている間にファンネルはほとんどが撃破され、完全に押されている。
機動性だけでなく、パワーウェイトレシオの差により完全にパワー負けして、近接戦闘においても腕部の関節が悲鳴を上げ始めている。
ギュネイは、強化人間であると同時に十分に経験を積んだパイロットであるが、その差を完全に埋められており、危機に瀕していた。
「やむをえん。撤退する。」
「了解…!」
時間差を置いてダミーを散布しつつ限界までスラスターを吹かして、戦闘不能になったザクⅣを抱えてアンジェロ達は後退していった。
一方、第2戦隊は、未だに戦闘を続けていた。
「高熱源反応複数接近。方位5時49分。IFF確認。第3戦隊旗艦サンサーラ所属。友軍です。」
「それはまた、嬉しい事だな。バシリコック中尉の部隊を、ユニコーンの救援に向かわせろ。第3戦隊所属機にレーザー通信。「空いた穴を埋められたし。」。」
「了解。」
救援に駆け付けた1機が、ロンド・ベルで使用されているSFS、89式改ベースジャバーを乗り捨てて、肩部バインダーシールドのビームキャノンを発射して、残党のMSを撃破。
背部に装備されている、準サイコミュ兵装のインコムを展開。
主兵装として装備されている、複数の装備が融合されている兵装。
CWS(シウズ:Composite Weapon System)をビームグレイブにして、MSをなます斬りにしていく。
NSX-90/F(90/F(準ずるfollowの意味)) AUGE(オージェ)
オークランド研究所、ニューギニア基地といった連邦軍のMS開発拠点から出向した技術陣とフォン・ブラウン工場のスタッフが籍を置くロンデニオン研究所に新設された、アナハイム先進技術研究部門で開発されているMSである。
サイコミュと準サイコミュを組み込んだ機体に分けて、製造。
サイド7のアリサ・ベアトリーセ・リヒテル中尉とロンド・ベル第3戦隊MS隊隊長のユウ・カジマ大尉がテストパイロットとなっている。
ベース機の性能が高かったために、最新技術を投入して開発したAUGEの性能は高く、準サイコミュ仕様はエース機の候補として、連邦軍上層部も期待している。
残党のMSが半数を割り込むと母艦に撤退しようとするが、後方から強力な光の槍で貫通され、轟沈した。
「じゃあ、支援よろしく。」
現在、百式を駆る第3戦隊MS隊副隊長ドロシー・バーダー中尉が、直属小隊である「ラプター」に、第2戦隊支援を命じる。
「「「「了解。」」」」
眩い黄金のMSが持つ、SFSを兼ねたような強力なランチャーを発射後、ジェガンを改造したと思われるMSが戦場に参戦する。
この際、降伏勧告もしたが、残党は聞き入れようとはしなかった。
MSN-100V3 百式ver.3
嘗て、クワトロ・バジーナを名乗っていたキャスバルの愛機であった、MSである。
第一次ネオジオン抗争後に新技術を投入して、再設計。
パイロットは、蒼い稲妻の二つ名を持つエースパイロットである、ユウ・カジマに内定しており、装甲の対ビームコーティングも蒼になる予定だったが、キャスバルに敬意を表したユウの意見で、百式系の対ビームコーティングを発展させたものに変更。
機体名も、百式の名を継いでいる。
オプションである、メガ・バズーカ・ランチャーは一から再設計され、発射可能数、出力、SFSとしての航続距離。
全てが向上している。
グリプス紛争終盤では、数多くの熟練パイロットが乗ったガザCを多数撃破したが、その時に比べても威力は向上しており、一発でもドゴス・ギア級の様な大型戦艦にかなりのダメージを与えることができる。
であれば、残党が運用している艦ではひとたまりもない。
さらに、ラプター隊が運用する、ジェガン系の試作機。
RGM-89H ハイマニューバ・ジェガン
現在、主に運用されているジェガン系のバージョンである、D型に百式の技術を盛り込んで再設計した試作高機動MSとして完成した。
これにより、機動性と運動性は30%以上向上しており、性能は大きく向上した。
まだ試験運用段階だが、このバージョンをハイとして、初期バージョンのA型をベースに機動性、運動性を向上させたA2型がローになり、運用されるのではないかと言われて、その憶測を納得させるだけの性能を持ち合わせており、4機1個小隊だが、第2戦隊のMS部隊を数以上に支援している
その後も、幾度か降伏勧告をしたが、残党側は受諾せず全滅の道を選んだ。
第2戦隊の勝利となったが、オットーの表情は決して晴れやかとはいかなかった。
降伏すれば、まだ生きる道も残っている。
それを、選んで欲しかったのである。
上から見た人間の傲慢と、ジオン残党に吐き捨てられるのも承知している。
それでも、降伏してほしかった。
離脱したアンジェロ達は、多数のダミーを放出した宙域で、シュモクザメに似た機体にレドーム型の複合センサーを搭載したMAとランデブーしていた。
「どうだ?データは?」
「余すことなく、全て、採集しました。このリグロなら、遠距離であろうとも各種データが収集可能ですので。」
MA-07R リグロ。
袖付きで運用されている、MAである。
元は、MA-05 ビグロのパーツを流用して、より量産が可能なMAとして計画されていた機体である。
それを、再設計。
ザクⅣのパーツを、全体の60%流用して、兵装の大半を撤去。
各種データ収集用センサーを含めて、40%のパーツを新造。
多数の偵察用センサーを、搭載している。
ジェネレーター出力が抑えられており、MAとしてはコストが安く、強行偵察等でも活躍することもあって数機が運用されている。
「では、帰投する。」
「艦長。バナージ君のバイタルですが、ほとんど問題ないようです。後は、休養あるのみとハサン先生が。」
「そうか…。」
ネェル・アーガマに帰投したバナージは、NT-Dを発動したこともあって、精密検査を受けた後、医務室で休養していた。
ハサンからの言伝を聞いて、オットーは安心したように息を吐く。
「いくら、ラプラスの箱が連邦に重要だと解っていても、子供を酷使するような事をしていると、正直、胸が痛いですね…。」
憂鬱な表情で、レイアムが呟く。
「みんなそうだろうさ。箱に一番執着していそうなアルベルト氏も、明るい表情はしておらんよ。ポーカーフェースのダグザ中佐達だけは、どうだか解らんがね。」
バナージの精密検査が必要だと知らされた際に、クルー達は憂鬱な表情になったが、ダグザ達だけはいつものポーカーフェースだった。
マンハンターと呼ばれ、様々な汚れ仕事も行うエコーズであることからだと考えられるが、もう少し何とかならないかと、オットーは思っている。
大人の都合で精密検査が必要。
それが理解していても、ユニコーンの真の力を発揮する必要がある。
それを考えると、良心の痛みを強く感じていた。
「少し、頼む。」
オットーは、しばらくレイアムにブリッジを任せた。
後書き
ランバラルの命台詞
「ザクとは違うのだよ!ザクとは!」
大好きで使いたいと思っていたので、連邦との戦力差を縮める為の新型MSとして、ザク、グフの発展型を登場させることとしました。
ファーストガンダムから見ていると、やはり、初代のザク等の旧ジオン系のMSは強く印象付けられていますので。
そして、機体性能をブーストさせるTHANATOS。
HADESよりブーストを抑えてより安全に運用するシステムとして、考えました。
いざという時の切り札なので、多用はできませんが。
ロンド・ベル第3戦隊の救援もあり、戦いはロンド・ベル側の勝利。
NT-Dを使用したバナージも、後は休息をとるだけ。
民間人。
しかも、子供のバナージを戦いに駆り出すことにオットー達は忸怩たる物を感じています。
どこその女帝は、別に何にも考えていないでしょうが。

HGUC 196 機動戦士ガンダム グフ 1/144スケール 色分け済みプラモデル

HG 1/144 ZGMF-2000 グフイグナイテッド (量産機) (機動戦士ガンダムSEED DESTINY)

HG 機動戦士ガンダム THE ORIGIN ザクII C-6/R6型 1/144スケール 色分け済みプラモデル

HG 機動戦士ガンダムSEED ザクウォーリア 1/144スケール 色分け済みプラモデル
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フェードラを駆るダグザと共に、ガエルは袖付きの新型機と思われる、ザクに似たMSを相手にしていた。
性能面では、シルヴァ・クロスやフェードラには劣る。
が、連邦の主力量産機であるジェガンに、決して劣らない。
むしろ、勝っている部分もあるように思える。
『それ以上に面倒なのは…。』
4機を指揮していると思われる、グフ似の1機。
性能面では、明らかにザク似の4機だけでなく、ジェガンも上回る性能を持ち合わせている。
ARX-014C シルヴァ・クロス。
連邦軍オーガスタニュータイプ研究所で開発され、疑似サイコミュを搭載したORX-013 ガンダムMk.Ⅴの技術を秘かに入手したネオジオンが開発した、AMX-014 ドーベンウルフを戦後に接収。
それを参考に、アナハイムが開発したMSである、ARX-014 シルヴァ・バレトの内1機をベースに、ガエル専用機であることを前提に各部をアップデートしたMSであり、プロトタイプフィンファンネルを疑似サイコミュ型として装備。
ウィング・ワークスが開発を続けてきた、レーザー誘導式疑似サイコミュのデータを最大限に活かして、開発に成功。
より性能を高める為に、コントロールにはデュアルレーザー方式を採用している。
純粋なサイコミュには劣るが、従来のレーザー誘導疑似サイコミュより性能は大幅に向上。
ビーム兵装も、実弾兵装もバランスよく搭載されており、性能と信頼性を両立させた優秀なMSである。
それに加えて、ある奥の手を搭載されていた。
「いい腕をしている。敵であるのが、惜しいな。」
グフに似たMS。
AMX-137B グフ・マールスを駆るアンジェロは、ダグザとガエルの戦いぶりを見ながら、2人を高く評価していた。
新開発された、ザク系の量産型MS。
AMX-136 ザクⅣ
性能面でジェガンに劣るゼクドーガの後継機として、以前から開発されていたMSである。
特に際立った性能ではなく、兵装もありふれたものを運用しているが、それだけに信頼性が高く、操縦系も至って素直で、新人からベテランに至るまで十分な性能を引き出せる量産型MSである。
グフ・マールスは、ザクⅣの設計を流用しつつ、近接戦闘と機動性を重視して機体を軽量化しつつ、大気圏内でもある程度の飛行が可能なように設計されている。
軽快な機動性を特徴としており、武装はさして多くない物の、エース用としても十分な性能を有している。
腕部には、5連装ビームガトリングガンを搭載。
腕部シールドには、ビームソード、ロケット兵装のネーベルヴェルファーを搭載。
そして、グフのヒートロッドの発展型として、両腕部にスレイヤーウィップを搭載している。
ビームガトリングガンは、射程はやや短いが威力は十分であり、牽制にも十分使用できる。
アンジェロは、ビームガトリングと近接兵装との連携で、ダグザとガエルと互角に戦っていた。
「どうする?このままでは、ジリ貧だぞ?何か、手はあるか?」
数の優位とアンジェロが駆るグフ・マールスの連携に手を焼いているダグザは、ガエルに通信を入れる。
「一つ、無くはない。その為には、あのグフ似をしばらく引き受けて欲しい。その上で、ザク似を蹴散らして支援に回る。」
ガエルが提示した案は、ダグザにとってリスクが大きいものだった。
「解った。可能な限り急いでほしい。ユニコーンも気にかかる。」
「当然だ。バナージ様をお守りするのは、私の義務だからな。」
「では、作戦開始だ。」
「さて、起動させるぞ。」
SYSTEM THANATOS
そして、シルヴァ・クロスの性能は著しく向上した。
「片方が、ザクⅣ4機を相手だと。残りは1対1。舐めてくれる…!」
アンジェロはフロンタルの親衛隊を任されているだけあって、優れた指揮官でありパイロットだが、激情家の一面がある。
「そんなに死にたければ、さっさと殺してやる!」
フットペダルを強く踏み込むと、グフ・マールスの機動性がさらに解放される。
それに対して、ダグザもビームカービンで対抗するが、アンジェロは苦も無く回避して、ビームガトリングガンでフェードラを狙う。
「ぬうっ!」
回避しながら、ダグザはビームカービンを撃ちつつ、シールドに搭載されているジャベリン連装ミサイルを発射する。
『タイミングを合わせた。これを交わすのは、並大抵ではない筈。』
ビームカービンの回避軌道を計算して発射されたジャベリンは、グフ・マールスに命中する。
ダグザはそう確信したが、アンジェロが駆るグフ・マールスには命中せず、全くの無傷だった。
「ザクとは、違うんだよ!」
急接近してスレイヤーウィップをビームカービンに巻き付けると、高周波パルスでビームカービンは破壊される。
「ザクとは!!」
頭部のリヴォルバーカノンを発射してフェードラの動きを封じると、離脱してビームガトリングガンを発射する。
が、シルヴァ・クロスのメガライフルの射撃で、アンジェロは一旦距離を取らざるを得なかった。
「何!?」
拡大した映像ウィンドウには、突撃してくるシルヴァ・クロスが映っていた。
ここで、時間を戻す。
「何だ、こいつ!?急に動きが…!ぐあっ!!」
ライフルの280mmグレネードランチャーが命中して、ザクⅣが1機爆散する。
「1機であたるな。連携しろ!」
残り3機は互いに連携して、チームプレイでシルヴァ・クロスを仕留めようとするが、それをシルヴァ・クロスは軽々と回避して、2機目をビームサーベルで串刺しにする。
「オリジナルのHADESには劣るが、量産機相手なら十分か。」
短時間で2機のザクⅣを撃破した事に、ガエルは満足していた。
THANATOS。
一年戦争中に、対ニュータイプ用システムとして、連邦に亡命してきた科学者クルスト・モーゼスによって開発されたEXAMシステムを入手した、オーガスタ研究所が開発した、パイロットの負担無視しつつ機体性能を100%引き出すHADES。
それを量産機向けにリミッターを設けたTHEMISの性能を維持しつつ、可能な限り負担を減らしたシステムとしてアナハイムが開発したのが、THANATOSである。
ケーラが駆るエプシィに搭載されていたATHENAと同系統だが、ATHENAは性能を落とすことを代償に、HADESで肉体改造の外科手術や必要だが危険な薬物の投与が必須であったことを削除しつつ、主にパイロットの保護を優先し状況ごとの薬物使用に切り替えられた、HADESと比較して安全性を重視したシステムである。
一方、THANATOSは、性能に重点を置いたことで、負担を減らしていると言っても、危険さではATHEHNAを上回るシステムである。
秘かに肉体を強化人間レベルにまで強化したガエルでも、「スタミナ剤」と呼ばれる劇薬を混合した複合薬物の事前の投与が必須であり、必ずしも薬物投与を必要としないATHEHNAと比較して危険さでは明らかに上回る。
レーザー誘導式プロトタイプフィンファンネルで3機目を撃破し、4機目を戦闘不能にして、ガエルはダグザの救援に駆け付けた。
「くっ!ガス中尉はどうしている!?」
苦虫をかみつぶしつつ、アンジェロはギュネイの戦闘状況を確認するが、さらに苦い味が口の中に広がった。
「くそっ!こいつ!!」
ファンネルとの連携攻撃でユニコーンを攻撃するギュネイだが、NT-D状態では機動性が大きく引き上げられ、碌に命中しない。
さらに、ビームマグナムという強力な兵装は、掠めるだけでもMSにとっては危険であり、対ビームコーティングをしていてもほとんど意味がない。
手をこまねいている間にファンネルはほとんどが撃破され、完全に押されている。
機動性だけでなく、パワーウェイトレシオの差により完全にパワー負けして、近接戦闘においても腕部の関節が悲鳴を上げ始めている。
ギュネイは、強化人間であると同時に十分に経験を積んだパイロットであるが、その差を完全に埋められており、危機に瀕していた。
「やむをえん。撤退する。」
「了解…!」
時間差を置いてダミーを散布しつつ限界までスラスターを吹かして、戦闘不能になったザクⅣを抱えてアンジェロ達は後退していった。
一方、第2戦隊は、未だに戦闘を続けていた。
「高熱源反応複数接近。方位5時49分。IFF確認。第3戦隊旗艦サンサーラ所属。友軍です。」
「それはまた、嬉しい事だな。バシリコック中尉の部隊を、ユニコーンの救援に向かわせろ。第3戦隊所属機にレーザー通信。「空いた穴を埋められたし。」。」
「了解。」
救援に駆け付けた1機が、ロンド・ベルで使用されているSFS、89式改ベースジャバーを乗り捨てて、肩部バインダーシールドのビームキャノンを発射して、残党のMSを撃破。
背部に装備されている、準サイコミュ兵装のインコムを展開。
主兵装として装備されている、複数の装備が融合されている兵装。
CWS(シウズ:Composite Weapon System)をビームグレイブにして、MSをなます斬りにしていく。
NSX-90/F(90/F(準ずるfollowの意味)) AUGE(オージェ)
オークランド研究所、ニューギニア基地といった連邦軍のMS開発拠点から出向した技術陣とフォン・ブラウン工場のスタッフが籍を置くロンデニオン研究所に新設された、アナハイム先進技術研究部門で開発されているMSである。
サイコミュと準サイコミュを組み込んだ機体に分けて、製造。
サイド7のアリサ・ベアトリーセ・リヒテル中尉とロンド・ベル第3戦隊MS隊隊長のユウ・カジマ大尉がテストパイロットとなっている。
ベース機の性能が高かったために、最新技術を投入して開発したAUGEの性能は高く、準サイコミュ仕様はエース機の候補として、連邦軍上層部も期待している。
残党のMSが半数を割り込むと母艦に撤退しようとするが、後方から強力な光の槍で貫通され、轟沈した。
「じゃあ、支援よろしく。」
現在、百式を駆る第3戦隊MS隊副隊長ドロシー・バーダー中尉が、直属小隊である「ラプター」に、第2戦隊支援を命じる。
「「「「了解。」」」」
眩い黄金のMSが持つ、SFSを兼ねたような強力なランチャーを発射後、ジェガンを改造したと思われるMSが戦場に参戦する。
この際、降伏勧告もしたが、残党は聞き入れようとはしなかった。
MSN-100V3 百式ver.3
嘗て、クワトロ・バジーナを名乗っていたキャスバルの愛機であった、MSである。
第一次ネオジオン抗争後に新技術を投入して、再設計。
パイロットは、蒼い稲妻の二つ名を持つエースパイロットである、ユウ・カジマに内定しており、装甲の対ビームコーティングも蒼になる予定だったが、キャスバルに敬意を表したユウの意見で、百式系の対ビームコーティングを発展させたものに変更。
機体名も、百式の名を継いでいる。
オプションである、メガ・バズーカ・ランチャーは一から再設計され、発射可能数、出力、SFSとしての航続距離。
全てが向上している。
グリプス紛争終盤では、数多くの熟練パイロットが乗ったガザCを多数撃破したが、その時に比べても威力は向上しており、一発でもドゴス・ギア級の様な大型戦艦にかなりのダメージを与えることができる。
であれば、残党が運用している艦ではひとたまりもない。
さらに、ラプター隊が運用する、ジェガン系の試作機。
RGM-89H ハイマニューバ・ジェガン
現在、主に運用されているジェガン系のバージョンである、D型に百式の技術を盛り込んで再設計した試作高機動MSとして完成した。
これにより、機動性と運動性は30%以上向上しており、性能は大きく向上した。
まだ試験運用段階だが、このバージョンをハイとして、初期バージョンのA型をベースに機動性、運動性を向上させたA2型がローになり、運用されるのではないかと言われて、その憶測を納得させるだけの性能を持ち合わせており、4機1個小隊だが、第2戦隊のMS部隊を数以上に支援している
その後も、幾度か降伏勧告をしたが、残党側は受諾せず全滅の道を選んだ。
第2戦隊の勝利となったが、オットーの表情は決して晴れやかとはいかなかった。
降伏すれば、まだ生きる道も残っている。
それを、選んで欲しかったのである。
上から見た人間の傲慢と、ジオン残党に吐き捨てられるのも承知している。
それでも、降伏してほしかった。
離脱したアンジェロ達は、多数のダミーを放出した宙域で、シュモクザメに似た機体にレドーム型の複合センサーを搭載したMAとランデブーしていた。
「どうだ?データは?」
「余すことなく、全て、採集しました。このリグロなら、遠距離であろうとも各種データが収集可能ですので。」
MA-07R リグロ。
袖付きで運用されている、MAである。
元は、MA-05 ビグロのパーツを流用して、より量産が可能なMAとして計画されていた機体である。
それを、再設計。
ザクⅣのパーツを、全体の60%流用して、兵装の大半を撤去。
各種データ収集用センサーを含めて、40%のパーツを新造。
多数の偵察用センサーを、搭載している。
ジェネレーター出力が抑えられており、MAとしてはコストが安く、強行偵察等でも活躍することもあって数機が運用されている。
「では、帰投する。」
「艦長。バナージ君のバイタルですが、ほとんど問題ないようです。後は、休養あるのみとハサン先生が。」
「そうか…。」
ネェル・アーガマに帰投したバナージは、NT-Dを発動したこともあって、精密検査を受けた後、医務室で休養していた。
ハサンからの言伝を聞いて、オットーは安心したように息を吐く。
「いくら、ラプラスの箱が連邦に重要だと解っていても、子供を酷使するような事をしていると、正直、胸が痛いですね…。」
憂鬱な表情で、レイアムが呟く。
「みんなそうだろうさ。箱に一番執着していそうなアルベルト氏も、明るい表情はしておらんよ。ポーカーフェースのダグザ中佐達だけは、どうだか解らんがね。」
バナージの精密検査が必要だと知らされた際に、クルー達は憂鬱な表情になったが、ダグザ達だけはいつものポーカーフェースだった。
マンハンターと呼ばれ、様々な汚れ仕事も行うエコーズであることからだと考えられるが、もう少し何とかならないかと、オットーは思っている。
大人の都合で精密検査が必要。
それが理解していても、ユニコーンの真の力を発揮する必要がある。
それを考えると、良心の痛みを強く感じていた。
「少し、頼む。」
オットーは、しばらくレイアムにブリッジを任せた。
後書き
ランバラルの命台詞
「ザクとは違うのだよ!ザクとは!」
大好きで使いたいと思っていたので、連邦との戦力差を縮める為の新型MSとして、ザク、グフの発展型を登場させることとしました。
ファーストガンダムから見ていると、やはり、初代のザク等の旧ジオン系のMSは強く印象付けられていますので。
そして、機体性能をブーストさせるTHANATOS。
HADESよりブーストを抑えてより安全に運用するシステムとして、考えました。
いざという時の切り札なので、多用はできませんが。
ロンド・ベル第3戦隊の救援もあり、戦いはロンド・ベル側の勝利。
NT-Dを使用したバナージも、後は休息をとるだけ。
民間人。
しかも、子供のバナージを戦いに駆り出すことにオットー達は忸怩たる物を感じています。
どこその女帝は、別に何にも考えていないでしょうが。

HGUC 196 機動戦士ガンダム グフ 1/144スケール 色分け済みプラモデル

HG 1/144 ZGMF-2000 グフイグナイテッド (量産機) (機動戦士ガンダムSEED DESTINY)

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