蒼天航路 第5話 天下の器
冀州頓丘の県令に着任する曹操。
しかし、眠りし竜は一人にあらず。
後に天下を争う竜がまた一人…。
冀州の県令に着任した曹操に、副県令左嶺らが挨拶にきます。
しかも手ぶらではなく、貢物や美女を引き連れて。
曹操はそれを受け取り、美女達と夜を過ごします。
今は、眠りし時のようです。
その頃、涿郡涿県では、一人の青年が空を見上げながら考えていました。
空が自分の器なら、それを満たす物は何なのか。
その青年の名は劉備、字は玄徳。
前漢の第六代皇帝景帝の息子である、中山靖王劉勝の末裔を自称していまし
た。
そして、曹操と同じく天に昇ろうとする竜の一人。
普段は露天商をしながら生計を立てる、陽気なごく普通の青年。
しかし、裏の顔は荒くれ者達を集めて、民を苦しめる役人を始末する一団の頭
目でした。
今狙う獲物は、河東郡で民を苦しめる孫進。
さっそくその首を取ろうと向かいますが、他の一団によって孫進は首を取られ
ます。
孫進の首を取ったのは、劉備達と同じく民を苦しめる悪党を成敗する美髯団の
頭目の弟分張飛。
劉備の手下が立ち向かうも、まるで歯が立ちません。
張飛は命が惜しければ、自分達の頭目関羽に降れと言います。
関羽の名は劉備も聞いており、一度はあってみたいと考えていた劉備は、その
条件を呑みます。
関羽の元を訪れた劉備は、関羽の世を憂う言葉を、聞かされます。
自分達は、民を苦しめる者達を闇で葬り民を救ってきたが、その闇すらも腐敗
してきた。
では、どうするかを、劉備に尋ねられた関羽は、侠の心を持つ者達を集め、世を
正すと答え自分に降る事を求めますが、劉備は断ります。
そんな劉備に、関羽は尋ねます。
お前は何を望み、何の為に生きるかを。
劉備の答えは、「楽しく生きる事。」
憤慨した関羽は青龍偃月刀を振り上げ、劉備の望むものを尋ねます。
財産か?屋敷か?地位と名誉を極めた果ての名声か?
劉備の答えは、天下を取り、天下の民の笑顔を見る事。
しかし、どうすればいいかは解らない。
ただ、自分には天下の器がある。と言います。
そして関羽に、「自分という器を満たす中身になってもらいたい。もし、器から中
身が零れるようなら、いつでも器を壊して構わない。」
そう話を持ちかけます。
そして、3人は義兄弟の契りを結びます。
世に言う、「桃園の誓いです。」
臥竜が一人、天に上ろうとしていました。
一方、左嶺らが御しやすいと考えた曹操は、左嶺ら副県令の首を悉く刎ね、財
産を没収し、貢物を全て処分し得られた財貨を、民衆に分け与えます(六韜三
略を間違いなく読んでいますな。富を民衆に分け与えることの大事さが書かれ
ています。)。
その頃、天下に大乱が起こる気配が近づいてきます。
張角が起こした宗教団体、太平道が多くの信者を集め始めていました。
天下を揺るがす大乱、「黄巾の乱」が起ころうとしていました。
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しかし、眠りし竜は一人にあらず。
後に天下を争う竜がまた一人…。
冀州の県令に着任した曹操に、副県令左嶺らが挨拶にきます。
しかも手ぶらではなく、貢物や美女を引き連れて。
曹操はそれを受け取り、美女達と夜を過ごします。
今は、眠りし時のようです。
その頃、涿郡涿県では、一人の青年が空を見上げながら考えていました。
空が自分の器なら、それを満たす物は何なのか。
その青年の名は劉備、字は玄徳。
前漢の第六代皇帝景帝の息子である、中山靖王劉勝の末裔を自称していまし
た。
そして、曹操と同じく天に昇ろうとする竜の一人。
普段は露天商をしながら生計を立てる、陽気なごく普通の青年。
しかし、裏の顔は荒くれ者達を集めて、民を苦しめる役人を始末する一団の頭
目でした。
今狙う獲物は、河東郡で民を苦しめる孫進。
さっそくその首を取ろうと向かいますが、他の一団によって孫進は首を取られ
ます。
孫進の首を取ったのは、劉備達と同じく民を苦しめる悪党を成敗する美髯団の
頭目の弟分張飛。
劉備の手下が立ち向かうも、まるで歯が立ちません。
張飛は命が惜しければ、自分達の頭目関羽に降れと言います。
関羽の名は劉備も聞いており、一度はあってみたいと考えていた劉備は、その
条件を呑みます。
関羽の元を訪れた劉備は、関羽の世を憂う言葉を、聞かされます。
自分達は、民を苦しめる者達を闇で葬り民を救ってきたが、その闇すらも腐敗
してきた。
では、どうするかを、劉備に尋ねられた関羽は、侠の心を持つ者達を集め、世を
正すと答え自分に降る事を求めますが、劉備は断ります。
そんな劉備に、関羽は尋ねます。
お前は何を望み、何の為に生きるかを。
劉備の答えは、「楽しく生きる事。」
憤慨した関羽は青龍偃月刀を振り上げ、劉備の望むものを尋ねます。
財産か?屋敷か?地位と名誉を極めた果ての名声か?
劉備の答えは、天下を取り、天下の民の笑顔を見る事。
しかし、どうすればいいかは解らない。
ただ、自分には天下の器がある。と言います。
そして関羽に、「自分という器を満たす中身になってもらいたい。もし、器から中
身が零れるようなら、いつでも器を壊して構わない。」
そう話を持ちかけます。
そして、3人は義兄弟の契りを結びます。
世に言う、「桃園の誓いです。」
臥竜が一人、天に上ろうとしていました。
一方、左嶺らが御しやすいと考えた曹操は、左嶺ら副県令の首を悉く刎ね、財
産を没収し、貢物を全て処分し得られた財貨を、民衆に分け与えます(六韜三
略を間違いなく読んでいますな。富を民衆に分け与えることの大事さが書かれ
ています。)。
その頃、天下に大乱が起こる気配が近づいてきます。
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この記事へのコメント
>今は、眠りし時のようです。
つくづく思うんですが、こういう地方官や国の政治家では古典とか本とか読まなかったのかなぁと思ってしまう。「史記」とか「春秋」を少し読めば楚の荘王の故事くらい疑えるはずなんですがね。
>劉備
声がちょっと軽いかなぁ。横山三国志の劉備を見すぎているせいかそう思ってしまいました。
コメントありがとうございます。
>こういう地方官や国の政治家では古典とか本と
か読まなかったのかなぁ
ただ読むだけで、碌に学ばなかったんじゃない
ですかね。
もし読んでいたら、賄賂と美女で曹操を篭絡す
るなんて下種な発想は浮かばなかったと思いま
すよ。
その点で言えば、この国の政治屋も似たり寄っ
たりですがね。